こんにちは。京都ノオト、運営者の「MASA」です。
「京都観光、車で行こうかな?」と計画している方、多いんじゃないでしょうか。
特に家族旅行や荷物が多い時、車は便利そうに見えますよね。
でも同時に、京都観光で車は「やめとけ」なんて声もあって、実際のところどうなのか、必要かどうかの判断に迷うかもしれません。
京都市内の深刻な渋滞事情や、清水寺や嵐山といった人気スポットの駐車場問題、あとレンタカーを借りるべきかどうかも気になるところだと思います。
この記事では、京都観光における車のデメリットやメリットを比べながら、市内観光と郊外ドライブのモデルコースも含めて、車とどう付き合うのが賢いのか、私なりにまとめてみました。皆さんの京都旅行の計画に役立てば嬉しいです。

記事のポイント
- 京都観光での車のメリット・デメリット
- 市内中心部の渋滞や駐車場のリアルな事情
- 賢い「パークアンドライド」の活用法
- 車だからこそ行きたい郊外のおすすめスポット
京都観光に車は必要か?徹底分析
まず、京都観光、特に「市内中心部」の観光に車が必要か?という問いについて、私なりの考えをまとめてみます。
結論から言うと、「基本的にはおすすめしないけど、目的によってはアリ」という感じです。その理由を詳しく見ていきましょう。
市内観光のメリットとデメリット
あえて車で京都市内を観光することには、もちろんメリットもあります。
でも、それを上回る可能性のあるデメリット(というかリスク)も知っておく必要があるかなと思います。
車で市内を巡るメリット
- 移動の負担軽減: 小さなお子さん連れや、ご高齢の方、車椅子の方がいる場合、公共交通機関の乗り換えや駅からの徒歩は結構な負担です。車ならドア・ツー・ドアに近い移動ができますね。
- 荷物の心配無用: お土産をたくさん買っても、ベビーカーや撮影機材があっても、車に積んでおけます。
- 行動の自由度: 電車やバスでは行きにくい「穴場」のカフェやお寺にも、時間を気にせず立ち寄れます。
知っておくべきデメリットとリスク
一方で、デメリットはかなり深刻です。特に観光シーズンは、このリスクが現実になる可能性が非常に高いです。
家族旅行などで「楽だから」と車を選んだ結果、逆に「渋滞と駐車場探しで時間を失い、ストレスで疲労困憊…」となっては本末転倒ですよね。
市内観光での車の利用は、これらのリスクを天秤にかける必要があります。
- 深刻な交通渋滞
- 高額すぎる駐車料金
- 慢性的な駐車場不足(駐車場難民になる)
深刻な渋滞と高額な駐車場

デメリットの中でも、特に「渋滞」と「駐車場」は京都観光の質を直撃する問題です。
まず渋滞ですが、京都市内の主要な通り、特に桜(3月下旬~4月上旬)や紅葉(11月中旬~下旬)のハイシーズン、週末は本当に動きません。
東山エリア(清水寺・祇園周辺)や嵐山方面は、数キロ進むのに1時間以上かかることも珍しくないです。
そして駐車料金。市内中心部、特に祇園・清水寺エリアは目が飛び出るような金額設定の場所があります。
- 例1: 土日祝 20分 300円 (=1時間 900円、3時間で 2,700円)
- 例2: 週末やハイシーズンは「当日最大料金なし」
「最大料金」が適用されないと、文字通り青天井で料金が加算されます。
駐車場探しでグルグル回った挙句、数千円の駐車料金を支払う…というのは、時間もお金も本当にもったいないですよね。
最適解パークアンドライドとは

じゃあどうすればいいの?という話ですが、京都市が公式に推奨している「パークアンドライド(P&R)」が、市内観光の最適解だと私は思います。
これは、観光地の手前にある駅の近くや、高速のインターチェンジ近くの駐車場に車を停めて、そこから電車やバスといった公共交通機関に乗り換えて目的地へ向かう方法です。
パークアンドライドの主なメリット
- 京都観光最大のストレス要因である「渋滞」と「駐車場探し」から解放される。
- 市内中心部の高額な駐車料金と比べ、P&R駐車場の1日最大料金(1,000円以下が多い)+公共交通費のほうが安く済むケースがほとんど。
- ICカード(ICOCAなど)と連携して駐車料金が割引になる駐車場もある。
- 観光時間を最大限に有効活用できる。
京都市内を効率よく回るなら「地下鉄・バス1日券」(大人1,100円 ※2025年11月現在)との組み合わせが最強ですね。
清水寺エリアで2時間駐車するのと同じくらいのコストで、市内の主要エリアが1日乗り放題になります。
主要観光地の駐車場事情
P&Rを推奨しつつも、「どうしても目的地の近くまで行きたい」という時のために、主要スポットの駐車場事情も知っておくと便利です。
金閣寺周辺

金閣寺は少し特殊で、公式駐車場(最初の60分 400円)があるんですが、実は周辺のコインパーキングの方が安いことが多いです。
徒歩数分圏内に「24時間最大 350円」や「24時間最大 500円」といった看板を見かけることもあります。
金閣寺は公式に停めず、まず周辺を探すのが賢いかもしれません。
伏見稲荷大社周辺
伏見稲荷大社には参拝者用の「無料駐車場」(約175台)があります。ただ、「無料」=「常に満車」と思った方がいいです。
世界中から観光客が集まる場所なので…。ここを確実に利用するなら、利用開始時間(5:00)直後など、早朝を狙うしかありません。
日中に行くなら、P&R(例:地下鉄くいな橋駅や京阪沿線)が無難ですね。
二条城周辺
二条城の公式駐車場は、特に注意が必要です。通常期でも40分600円と高めですが、桜や紅葉の「シーズン料金」期間は40分700円になります(※料金は変動する可能性あり)。
二条城はしっかり見ると90分~120分はかかるので、駐車料金だけで2,000円を超えてしまう計算です。ここもP&R(例:JR二条駅)の利用を検討したいスポットです。
※駐車場の料金や利用時間、シーズン設定は変更されることがよくあります。
お出かけの際は、必ず現地の看板や公式サイトで最新の情報をご確認ください。
清水寺や嵐山の駐車場攻略法
さて、最難関の2エリア、清水寺と嵐山です。ここは「行けばなんとかなる」は通用しないと思った方がいいです。
【最難関】祇園・清水寺エリア
このエリアでの最善手は、「早朝に市営清水坂観光駐車場(1回 1,000円)」の空きを狙うことです。
1回1,000円のフラットレートは、周辺の高額コインパーキング(土日最大2,000円や時間貸しのみ)と比べると破格です。ただし、当然ながらすぐに満車になります。
もし満車だった場合、周辺をグルグル探すのは無謀です。そこでおすすめしたいのが、駐車場予約サービス(akippaや特Pなど)の活用です。
個人の空きスペースなどを1日単位で予約できるので、「必ず停められる」安心感が得られますし、料金も周辺相場より安いことが多いです。
【渋滞注意】嵐山エリア
嵐山も渡月橋周辺の道が狭く、渋滞が激しいエリアです。市営駐車場(1回 1,040円)もありますが、そこへたどり着くまでに渋滞にハマるリスクがあります。
ここでも駐車場予約サービスは有効ですが、私のおすすめは「小規模パークアンドライド」です。
例えば、中心部から少し離れた嵐電(らんでん)の駅(例:鹿王院駅など)周辺で安い駐車場を予約し、そこから嵐電で1駅だけ乗車するか、徒歩で散策する、という方法です。これなら渋滞も駐車場探しも回避できますね。
京都観光で車を活かす郊外戦略

ここまで、京都市内中心部での車の使いにくさをお話ししてきました。ですが、その車が真価を発揮する場所があります。
それが「郊外」です。P&Rで市内観光を楽しんだ翌日は、車でしか行けない「もう一つの京都」へドライブするのはいかがでしょうか。
郊外ドライブのモデルコース
車があるからこそ楽しめる、魅力的な郊外スポットはたくさんあります。京都市内から日帰りで行ける場所として、例えば以下のようなエリアが人気ですね。
- 【南部】歴史と抹茶の「宇治」
- 【西部】紅葉の名所「高雄」
- 【北部】日本の原風景「美山かやぶきの里」
- 【北部】山間の癒し「大原・貴船」
- 【日本海】絶景の「天橋立・伊根」
ただし、郊外といっても場所によって車のアクセス事情は全く異なります。
宇治や美山へのアクセス
宇治エリア
京都市内から車で約30~40分。平等院鳳凰堂で有名な宇治は、「車に優しい」観光地と言えます。
平等院のすぐ近くに大規模な「宇治駐車場」(普通車 1回 800円 ※執筆時点)が整備されていて、市内の高額な時間料金を心配せず、1日ゆっくり観光できます。
美山かやぶきの里
市内から約1時間半~2時間。ここは車が必須のエリアです。ただし、注意点が2つあります。
まず、駐車場が有料化されています。そして最も重要なのが、冬の「雪灯廊」などの人気イベント開催時は、駐車場が事前予約・決済必須になることです。
美山のイベント時は、「渋滞で開始時間に間に合わなくてもキャンセル料100%」といった厳しい規定が設けられている場合があります。
「予約不要」という古い情報のまま行くと駐車すらできない可能性があるので、必ず公式の最新情報を確認してください。
貴船への車訪問は危険

郊外の中でも、「貴船」だけは車で行くべきではありません。
私も「危険」と聞いて調べてみたんですが、本当に道が極めて狭く、すれ違いも困難、そして駐車スペースは壊滅的に少ないです。
駐車場予約サービスのakippaで「貴船神社」周辺を検索しても、一番近くて「徒歩1時間0分」、他は「徒歩2時間以上」といった結果が出てきます(※執筆時点での検索結果)。これはもう「周辺駐車場」とは呼べませんよね…
貴船へのアクセスはP&Rが唯一の正解です。
叡山電鉄の「市原」駅や、地下鉄の終点「国際会館」駅などに車を停めて、そこから電車とバスで向かうのが最も賢明で快適な方法だと思います。
天橋立への日帰りドライブ

車の機動力を最大限に活かすなら、日本海側(京都府北部)への絶景ドライブがおすすめです。
京都市内からは片道2時間以上かかりますが、車でしか行けない「もうひとつの京都」が待っています。
股のぞきで知られる日本三景の「天橋立」や、海辺に舟屋が立ち並ぶ「伊根の舟屋」、レトロな「舞鶴赤れんがパーク」など、見どころが満載です。
ここまで足を延ばせるのは、まさに車を持つ観光客の特権ですね。
レンタカー利用時の注意点
こうしたハイブリッド戦略(市内P&R+郊外ドライブ)のために、京都駅周辺でレンタカーを借りる方も多いと思います。
その際、車両本体の価格以上に注意してほしいのが「保険と補償」です。
特に見落としがちなのが「NOC(ノンオペレーションチャージ)」という制度です。
NOC(営業補償)に注意!
NOCとは、万が一事故や故障、車内外の汚損(タバコの臭いやシートのシミなど)を起こして、その車の修理や清掃が必要になった場合に支払う「営業補償料」のことです。
- これは、基本的な「保険」やオプションの「免責補償制度(CDW)」とは全く別物です。
- 免責補償(CDW)に入っていても、NOCは別途請求されます(例:自走可能で2万円、自走不可で5万円など)。
- 京都市内は道が狭く、ミラーを擦るなどの軽微な事故リスクも高いです。
このNOCの支払いを免除するためには、CDWに加えて、さらに上位の「NOC支払い免除」が含まれたオプションプラン(トヨタレンタカーの「安心Wプラン」など)に加入する必要があります。
1日1,600円~といった格安プランに惹かれても、補償内容をケチると、万が一の際に数万円の痛い出費につながる可能性があります。
京都での運転を考えるなら、補償は最上位のものにしておくことを強く推奨します。
※補償プランの名称や料金、NOCの金額はレンタカー会社によって異なります。必ず契約時に内容を詳細に確認してください。
京都観光と車の上手な付き合い方
ここまで、京都観光と車について色々と見てきました。
京都観光で車をどう使うか、その答えは一つじゃないかなと思います。市内中心部の名所だけを巡るなら、車は不要、むしろ渋滞や駐車場問題でストレスの原因になるかもしれません。
でも、宇治や美山、天橋立といった郊外まで足を延ばし、「もう一つの京都」まで満喫したいなら、車は最高の相棒になってくれます。
大切なのは、「市内はP&R、郊外はドライブ」という「使い分け」の意識を持つことですね。
この記事で紹介した情報が、皆さんの旅行プランに合った「京都観光と車」の最適解を見つけるヒントになれば、とても嬉しいです。
ぜひ、ご自身のスタイルで快適な京都旅を楽しんでくださいね!